秋の西方行脚 2011-9
10月21日/〜紫電改展示館〜松山

紫電改はどこよ?-U
 ・・・おしっこで目が覚めました。雨降ってます。それも傘を差しても用が足せるような雨じゃありません・・・。しかし・・・事態は急を要します!(笑)。とにかく屋根付きトイレ探してダッシュ!幸いすぐにコンビニ見つけて「トイレ貸して!」と駆け込みました。やれやれです。朝飯仕込みながら「紫電改展示館は?」と聞くと「この先のDoCoMoを・・・」。なんだまだ先だったんだ。相変わらず距離感甘いです。しかし行けども行けどもそのDoCoMoが・・・ない。それでも夕べのこともあるので、我慢して走り続けると・・・あった!こんなに遠かったのか!地図上の距離感と実際の距離。どこまで甘いんでしょ(苦笑)

 さぁ着きました。が土砂降りです。降りるのもためらうほどの・・・。とりあえず外のトイレに横付けして朝のお勤めです。あ、この時々出てくる「朝のお勤め」って、洗顔+大小排泄のことね。しかしすごい降りです。と言っていつまでもここにいても・・・と意を決し突入(?)です。

 

 

紫電改展示館

 この紫電改は国内唯一の現存機で、昭和20年7月24日、大村基地より米艦載機迎撃に飛び立った、343航空隊 21機中未帰還となった6機の内の1機だそうです。昭和53年にこの近くの海中で発見され、54年に引き上げられました。できるだけ引き上げ時のまま、というコンセプトの下レストアされたそうですから、不時着水時に曲がったプロペラもそのままです。また腐食が進んだ超々ジュラルミンの機体も穴だらけです。未帰還となった方は分かっているのですが、引き上げ時に機体番号が読み取れず、どの方の機かは特定できなかったそうです。そのため6名の遺影も合わせて展示されています。慰霊最終章、6名の英霊に合掌・・・

 入館時は私一人の貸しきり状態。撮りまくりつつも展示品をじっくり見つつ、静かな館内で一人英霊たちに思いを馳せていました。それも団体さんがなだれ込むまで。「あちゃ」と思いましたが、学芸員の解説が始まったので私も遠巻きに・・・。ま、解説と言っても粗方のことは知ってますから、お目当ては団体さんが引き上げたあと・・・

 

   何せ謎の多いこの引き上げ紫電改。聞きたかったのは裏話です。若い方でしたが、私の質問攻めに丁寧に答えてくれました。同時に、複雑な思いや気遣いなども・・・。

その1)キャノピーの謎
 引き上げ時の写真を見ると、キャノピーはほんの少ししか開いていません。これでは脱出できません。ならばあるはずのご遺体はなし。沈没しながら閉まったか?説には「そんなに軽く動かない」、脱出時に閉めたか?説には「そんな余裕は無い」で謎のままだそうです。

その2)特定は?
 不時着水したこの日、a)近くの海岸で打ち上げられたパイロットの遺体が見つかった、b)地元漁民が着水を目撃し、大急ぎで救助に向かったが沈んだ後だった、c)この機のフットペダルは一番座席寄り、つまり身長の低いパイロットの機。ならば2人に絞れる等々、情報はそこそこあるものの特定に至ってないそうです。機体番号も現在の科学をもってすれば読めないことは無い気がしますが、ご遺族のお気持ちを汲んで「6人の遺品」として決着しています。1機しかないんだからちゃんとレストアすべき、という声もあるそうですが、これが一番良い形でしょう。

その2)誰が引き上げるのか?誰が守るのか?
 機体にご遺体が残っていれば国の所管。無ければただの「物」。引き上げには膨大な費用が必要だし、引き上げ後はどうするのか?だれが守るのか?もう、侃々諤々だったそうです。結局愛媛県が引き上げ、「南レク」という第3セクターによって運営されています。

その3)右左
 右派左派によって戦争の解釈は違います。当然こういった施設、展示物への解釈も異なります。そのため解説にはかなり気を使うそうです。戦争賛美はもちろん否定もできません。ただ事実を淡々と語るのみとか。

 

 お若いのにしっかりした考えをお持ちの方でした。次世代の語り部、そう言っても過言ではないかも。体験者が減る一方のこの過去の悲劇を、次世代たる私も何か伝えていかねば・・・。ウチのお子達にも折に触れ話はしていますが・・・どうなんでしょね?
 1時間以上立ち話に付き合わせてしまいました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました!

 それにしても見学してたお年寄りたちって、戦中派じゃないの?なのに何も知らないみたい。これも戦時下の情報統制のタマモノ?ま、今だって我々は何を隠されてるのか分かったもんじゃありませんけどね。

 

雨の伊予路
 お昼過ぎにここを出ると今日はもう予定がありません。後は道後温泉でのんびりと。しかし・・・愛媛県もでかかった!高速も全部は通ってませんからR56を延々と。昼飯食ってないので何か地のものでも、と思っても一瞬の躊躇→通過ぁ!で中々ありつけません。2時近くになって「次ぎ見つけたら問答無用で入る!」と入ったのが古民家風うどん屋の「つしま亭」。夕飯を考えて軽め狙いでしたから釜揚げうどんは丁度良かったです。

 

 後はひたすら北上です。高速も部分的に使えましたが松山市街に入ったのはもう夕方。復活したSLの「坊ちゃん列車」も気になりますが、ここでも恒例「お宿はどこだ?」で彷徨って・・・。そしたらいきなりその坊ちゃん列車が!でもディーゼルエンジンそのままの通過音にシャッター押しかけて止めました。これじゃSL じゃないじゃん!DL じゃん!

 

 

今夜のお宿
 今夜は「メルパルクMATSUYAMA」です。建物、設備、部屋、CS共に一流ホテル並ですばらしい!薄汚い格好で入るのは気が引けるほどです。ええ、もちろんズンズン入っちゃいますが(笑)。それにここ、有名な道後温泉本館のすぐ近く。後で浸かりに行くつもりです。しかし部屋に入って荷解きして窓の外の雨見てたら・・・。ま、ここも同じ温泉引いてるそうですから、とりあえず一風呂浴びてメシにしましょう!

 夕べは野宿でしたからチョイと豪勢に。しかしこのホテル内レストランのスタッフ、いけませんなぁ。フロントのスタッフとはえらい違いです。いえ、無礼とか乱暴ってわけじゃないですよ。ただ事務的に運んできてポンポン並べてハイ、さようなら。愛想のかけらもありません。四国といえば「お接待」じゃないの?もてなす心って無いの?これじゃせっかくの料理も魅力半減!投稿しちゃおかな?(笑)
 ま、そのせいでもないんですが、満腹+止まぬ雨+疲れ=本館・・・いいや!で、寝ちゃいました!

 

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