秋の西方行脚 2011-4
10月16日/〜浦上〜長崎〜太刀洗〜熊本

無料朝食バイキング!
 ここ「レークイン大村」は無料朝食バイキング付き。たいていは元が絶対取れない1000円くらいですから、これはありがたいです。その分期待はしてませんでしたが、食堂に入って「!」。いえ、豪華とかビンボ臭いとかじゃないんです。何ともほのぼのしてるんです。この手のビジネスホテルの経営努力には、必要にして十分な設備&アメニティー等唸らされることが多いのですが、この朝食もしかり。変にホテルずれして気取ることなく、品数も味も必要にして十分!牛乳とかジュースは紙パックのまま並んでるんですが、並べ方のセンスかな?アットホームな感じで、かえって親近感沸いて頬が緩みます。行ったこと無いけど、アメリカの田舎で泊まったらこんな感じかな?いや、誰かの家で頂く感じかな?「何も無いのよ〜」なんて言いながら出してくれる。流れる地元FM(?)からは「カントリーゴールド」絡みでカントリーが流れてるし。朝からご機嫌さんです!

 

長崎原爆資料館
 今日は慰霊第2弾。一般に「ナガサキ」と言われてますが、実際の爆心地はその手前の浦上地区で、資料館等もこちらにあります。高速を走ってても、資料館への表示がちゃんとあるので分かりやすいです。で、着いてみてまず第一印象。広島とは随分と趣が異なります。建物もなんだか美術館みたい・・・。色々な資料が展示されているのは同じですが、「現物」の展示スペースもちょっと狭く、広島の後だからか正直「これだけ?」って思うほど。直球でこれでもか!と「悲劇」をぶつけてくる「ヒロシマ」とは何かが違います。受けた悲劇は同じはずなんですが・・・。

 

 

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館
 資料館に隣接しているので同じ施設かと思いましたが、資料館は長崎市、こちらは国立だそうです。ここには亡くなったたち方の名簿や遺影が永久保存されていて、「現物」は一切ありません。しかし近代美術が織り成す荘厳な空間には、亡くなった方たちの無念や苦痛が満ちています。そこにあるのは単なる「名簿」のはずなのに・・・。自然と合掌していたのは言うまでもありません。

「ここから250m先が原爆落下中心地です」。モニュメントにはそう書かれています。その中心地には「原子爆弾落下中心地碑」が原爆公園の中にあります。あの日この500m上空で爆発したんです。そして一瞬にして数千度の熱と音速を超える爆風に飲み込まれた・・・。想像を超えた出来事を思い、しばらく碑の袂で空を見つめてしまいました。でもそこには穏やかな秋の空が広がるだけ・・・。まるで何事も無かったかのように・・・。あ、花忘れた(苦笑) 今度は忘れずに・・・

 

 

何かが違う・・・
 資料館でも感じましたが、やはり何かが違う。それは公園周辺を散策するうちに確信に変わります。広島の悲劇が、あの一角に原爆の痕跡全てを封印するかのように存在しているのに対して、ここでは町中にモニュメントや「現物」が点在しているのです。それはまるで「あるがままの姿」を伝えようとするかのように・・・。そしてそこから感じるものは「祈り」。キリスト教になじみの深い土地柄かもしれませんが、広島で感じた「重い十字架」とは明らかに違います。無論良し悪し好みの話ではありません。同じ悲劇を蒙った2つの都市が、異なった表現でその悲惨さを後世に伝えているのです。同時にこの異なった表現こそが、核の悲惨さを世界に問う両輪となっている。いや、そうであって欲しい。どちらも単なる観光地ではないのだから・・・。
 

 なんだか答えを一つもらったような気がしたら急に腹が減ってきました。時計を見ればもうお昼を回ってます。短い時間でしたがこれにて慰霊第2段終了!長崎へ出て本場のチャンポン&皿うどんを頂くとしましょう。あ、もちろん予習してません!(笑)

 


ここでもチンチン電車が活躍!

チャンポン&皿うどん
 長崎へは「長崎電気軌道」の走るR206ですぐそこ。あっという間に駅前です。さて困った、予習してないし・・・。で、ままよ!とロータリーに入ってみたら、なんとバス&タクシー乗り場以外殆どコインパーキング!しかも安い!なんと良心的な!早速車を納め本場の店を捜索開始です。予習はしてないけど、駅前だからすぐ見つかるでしょ。

 ・・・は、やっぱり甘かった!その手の店も少ないし、あっても閉まってるし・・・。やっと見つけたら満席だったり・・・。駅前の繁華街ですぜ!日曜日ったってここは観光地ですぜ!なんと商売っ気のない街ですこと!でも何とか見つけて収まったのが「中華菜館 かたおか」。駅のまん前にありました。どこ見てたんだ?(笑)  さっそくチャンポンを注文しました。実はこのチャンポン、見たことはあるけど食った記憶ないんです。リンガーハットは行くけど皿うどんしか食わないし・・・。

 

 で、運ばれてきて、フム、なるほど・・・。なんか・・・うどんみたい(笑)。これはこれでアリですが、なじみあるラーメンとは違う文化ですね。で、食い終わらないうちに「これならイケる!」と、さっき満席だった「中華 大八」で皿うどんも頂くことにしました。ここ、奥のカウンターではおでんも食べられます。なんか地元に馴染み深い店のようですね。で・・・んまい!細い麺はちゃんとここで揚げてますぅって感じだし、具もたっぷりで味も濃厚!チャンポン食った後なのに夢中で食っちゃいました。こりゃリンガーハットとは明らかにベツモン!いやぁ〜旨かった!

 
*店の写真は「食ログ」より拝借

 食後は眠くなるのを覚悟の上で再び長崎自動車道へ。でも天気も良いし、海は見えるし!気持ち良く走れます。一眠りのつもりで寄った大村湾PAでも、大村湾を一望できるすばらしい眺望に眠気もどこへやら。そのまま鳥栖を超え大分自動車道の筑後小郡まで快適に走れました。

 

 

太刀洗平和記念館
 慰霊第3弾はここです。'09年開館の新しい施設(旧館は'87年開館)で、展示品、解説等とても充実しています。また天井には機影の枠ながら実物大のB29と二式複座戦闘機「屠龍」が吊るしてあったり、床には当時の太刀洗基地周辺の巨大な航空写真がプリントされていて、当時を知るボランティアの方が丁寧に解説してくれます。もちろん軽く質問攻めさせていただきました。それと・・・ここには世界で唯一の現存機「ゼロ戦32型」が展示されてるんです!もちろん「慰霊」が目的ではありますが、幼稚園の頃からゼロ戦と戦艦大和に感化されてきた私にとって、これは見逃せません!不謹慎ながら大コーフンで撮りまくりました!やっぱ、男の子はこういうメカには本能的に反応しちゃいます。もう、何枚撮っても気が済まない!(笑)

 ちなみに、このゼロ戦は「福岡航空宇宙協会」より、撮影を含む一般公開が条件として寄贈されたそうです。他にも博多湾から引き上げられた、これまた世界で唯一の現存機97式戦闘機」も展示されてますが、このゼロ戦以外一切撮影禁止です。遺品等は分かりますが、旧館時代は97戦も撮影OKだったのにぃ・・・とブツクサ(笑)

 「慰霊」とか言っときながら・・・はい、不謹慎でした!(笑)。でも改めて考えさせられました。この「ゼロ戦」って当時の最先端技術の結晶。今で言えばF15あたりでしょうか?それが軍国主義時代の洗脳教育のもと、少年たちが憧れぬはずがありません。でもこれは兵器。人殺しの道具です。こんな物無い世の中のほうが良いに決まってます。ま、平和な今だからこそ言えるタワゴトなのかもしれませんが・・・。


 着いたのもちょっと遅かったんで閉館ギリギリまでネバっちゃいました。〆はガラス越しに微かに見えるゼロ戦をバックに。これにて慰霊第3弾終了!・・・って・・・なんか・・・慰霊になってないかな?しかもお次は熊本へ移動してバンド仲間と宴会じゃ・・・。なんとも不謹慎でチャンポンな1日であります。(笑)

 

熊本でまた迷子
 ナビ付けろ?ほっといてちょうだい!ちょっと高速の出口間違えた・・・なのかな?当初九州自動車道の植木ICで降りてR3を南下するプランでしたが、どうやら熊本ICで降りたようです。なのに頭は植木ICプランのまま。そりゃ混乱しますわ。でもこんな時には自力航法システムが起動します。ま、「カン」とも言いますが(笑)。ままよ!っとハンドル切って見知らぬ住宅街走りぬけ、川を見つけたんで下流には街がある!と土手沿いに走り、広い通りに出たらどこかに出るはす!と信じてなだれ込んだらビンゴ!そこR3でした。いやぁ、我ながら良いカンしてました。偶然?ほっといてちょうだい!(爆)
 18時頃ようやく今夜のお宿「リバーサイドホテル熊本」に着いたら、ロビーにはお年寄りがいっぱい!「ねんりんピック2011熊本」開催中とやらでお年寄りが1万人も集まってるそうです。いやぁ、皆さんお元気ですな!んじゃ私もシャワー浴びて繰り出しますか!

 

さいとーよくしゃべる!
 カントリーゴールドから戻った先輩方と合流して案内されたのは、馬肉専門の「菅乃屋」。馬肉なんて食ったこと殆どありませんでしたからこれはラッキー!本場の馬刺しに舌鼓です。コウネ(たてがみが生えてる部分)もなかなかオツなもんですな。焼酎は「しろ」が合いますねぇ。肉より魚世代ばかりでしたから、殆ど私が頂いちゃいましたが。で、私気が付かなかったんですが、「さいとー、おまえよくしゃべるなぁ」だそうです。でも考えてみれば13日の晩以来の単独行。殆ど誰ともしゃべってませんでしたからね。それが今夜はバンド仲間と宴会です。よほど嬉しかったんでしょうね(笑)。

 

複雑な気持ち
 お次はカントリーゴールドの総大将、チャーリー永谷さんのライブハウス"GOOD TIME CHARLIE"へ。カントリーゴールドから戻ったお客さんで超満員!しかも演奏してるのもカントリーゴールドに出演した面々。そりゃ盛り上がりますわ。でもその喧騒の中、一瞬頭から音が消え、今日見てきた長崎と太刀洗が蘇ります。あんなことした者とあんなことされた者とが今嬌声の渦の中に共存している・・・。こいつらの爺さんが原爆落とした!そんな思いも頭をかすめて、なんか複雑な気持ちです。でもこれで良いんですよね。これが人としてあるべき姿。音楽に国境なんて無いんですから。みんなで一緒に楽しまなきゃ!そう思ったらまた音が戻ってきました。ほんの数秒のできことでした。

 

 

 この後、おバカタレント、スザンヌのお母さん(Vサインしてる人ね)の店「キャサリン's BAR」で一杯やって、もう1軒寄って熊本ラーメン(これ好きかも!)食ってお開きになったのは1時を回ってたような・・・。よく食って飲んでしゃべって、でもちょっぴり複雑な思いの熊本の夜でした。明日は人吉線でSL。予習しなきゃ・・・と思いつつ事切れました(笑)。

 

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