秋の西方行脚 2011-8
10月20日/〜宮崎〜佐伯〜宿毛

なんか空が・・・
 夕焼けって、明日も晴れ!を保障してるわけでもないんですね。朝から妙な雲行きです。天気予報も良からぬことをぬかしてるし・・・。今日は女房孝行最終日なんですけどねぇ・・・。なので今朝は「何とかもってくれよ・・・」と祈りつつの朝食です。で、朝飯も旨いです。魚とさつま揚げは秀逸!食後は、静かにピアノが流れるテラスで海を愛でながらのコーヒー。まだこの時点ではゆったりと朝を楽しんでいました。

 ところでこの海苔の佃煮。特に名物とも聞いてませんが、こりゃいいね!とロビーを覗けばちゃんとみやげ物コーナーに。まんまと買わされちゃいました(笑)。味も良いけど商売もうまい!

ま、とにかく出発です。

 

 

 

奥様のリクエスト-T/都井岬
 出発時、志布志湾はまだエメラルドグリーンに輝いてます。その志布志湾に突き出たダグリ崎のてっぺんにそびえる夕べのお宿もくっきり。でも西の空を見れば雲がワンサカ。これから東に向かうんですから追いかけっこになることは必至でしょう。で、あっさり追いつかれて早くも本降りです。それが最初の都井岬に着いた頃にはもう横殴りの雨ですよ。なるほど、そこかしこに野生馬がいます。いますけど・・・これじゃどうにもなりません!(笑) 牧場の散策なんざ夢物語。写真は小降りになった間隙をついて野生馬チラ見の図。カミさん楽しみにしてたんですが・・・。

 

 

 この後、朝食後の睡魔に襲われて「道の駅 なんごう」で一休み。10分ほど居眠りさせてもらいました。ここ、晴れていれば眺望が素晴らしいそうですが、この雨じゃね・・・。カミさんは店内を散策してたとか。

 

 

奥様のリクエスト-2/鵜戸神宮
 二つ目は日向灘に面した、断崖の中腹に鎮座する鵜戸度神宮。断崖と言ってもロッククライミングさせられるわけもなく、ちゃんと崖に沿って参道があります。殆どの神社は何がしかを登った上にありますが、ここは断崖の石段を降りた洞窟にあり、「下り宮」と言って珍しいんだとか。しかしなんでまたこんなとこに建てたんでしょね?

 

 

 本殿前、と言っても崖下ですが、「亀石」という霊石があって、その背中の穴に願いを込めて素焼きの「運玉」を投げ入れ、入れば願いが叶うとかなんとか。外れても願いを込めればやっぱり叶う・・・。んじゃ投げなくても良いんでないかぇ?(笑) 2人でやってみましたが、入れることに集中してお願いするの忘れちゃいました。で、全弾外れ!でも願わなかったんだから叶わない、もありません(笑)。

 

 雨はだいぶ小降りにはなったものの止む気配はありません。海も大荒れです。天気が良ければさぞや素晴らしい眺めだろうに・・・。これでは長居する気にもなれません。お昼を回っても腹も減らないし・・・。そろそろ河岸を変えましょうかね?  

 

奥様のリクエスト-V/青島神社&鬼の洗濯岩
 3つ目のリクエストはここ。陸続きの青島が丸ごと境内の神社で、奇岩「鬼の洗濯岩」のど真ん中にあります。その奇岩を愛でつつ東に進むと、南東を向いた入り口です。この「向き」にも意味あんでしょね。拝殿等は配色、形とも見慣れた関東のものとは違い、沖縄等の南方系の文化を感じます。ま、よくは知らないんですけどね(笑)。ここも晴れてたらさぞや、という景色。雨は止みましたが、これでは魅力半減。「青島」っつうぐらいだもん。真っ青な海を背景に本当の色で見てみたいものです。

 

 

 拝殿の矢印方向には、国の特別天然記念物の枇榔(ビロウ)樹の林があり、その中には「元宮」があります。「元宮」って・・・なんだ?よく分かりません!(笑) その裏、ここにもありました。願って投げるのが。「天の平瓮投げ」(あめのひらかなげ)だそうで、入れば成就、割れれば開運厄除けだとか。そう、運玉と同じ投げ物です。投げるのに集中してお願い忘れたのも同じなら、全弾外したのも同じでした。

 

 実は日大時代の私の専攻は地学。こういうのけっこう好きです。できれば空から眺めて、砂岩&泥岩が織り成すページェントに思いを馳せてみたい・・・。そう、地球は生きているのです!

あ、なんかこれじゃ芸風ちがう?(爆)

 そろそろおなか減ってきました。宮崎行ったら食べなきゃダメ!と言われてた「チキン南蛮」をいただきましょう。延岡の洋食屋の賄い食がルーツで、当初は甘酢だけだったそうです。それが宮崎で現在のタルタルソースのスタイルになったそうですから、正に地元料理!

 入ったのは青島屋という参堂にある大きな土産物屋兼食堂。すごい期待してたんですが、鳥は胸肉なんですね・・・。それがちょっと・・・。それとタルタルソースなしの甘酢ダレだけのほうが・・・。でもこれは地元料理。胸肉使うのも正統派。良しとしましょう。
 さぁ、これで奥様のリクエストは全て無事消化しました。後は宮崎空港へ間に合うように(これが肝心!)送り届けるだけです。

 

商売上手?
 車を預けた土産物屋へ戻ったら「アコードが話題になってたよ!」とおばちゃん。入れた時も「あら、アコードじゃない!知ってるよぉ〜!」と言ってたくらいだから、まんざらウソでもなさそうです。こりゃ悪い気はしません。ブタもおだてりゃなんとやら。土産物どっさり買い込んじゃいました(笑)。鬼の洗濯岩が俯瞰できる所無いかな?と聞くと「フェニックスに行ってごらん」と教えてくれたのでちょいと寄り道です。

 寄ったのは「道の駅 フェニックス」。実に具合の良い所にあります。やはりこの奇岩は上から見たほうが分かりやすいですねぇ。晴れでなかったことが一層悔やまれます。

 

追加オプション
 実はカミさん、学生時代にハワイアンのバンドやってまして、宮崎のホテルで演奏したこともあったんです。これね、ギャラは無いけどアゴアシ(食事、交通費)無料というアメ&ムチのバイトでした。飛行機には十分間に合うし、せっかくここまで来たんだし。そのホテルに寄り道です。で、着いてみて「全然覚えてない!」とカミさん(苦笑)。無理もありません。30年も前のこと。宮崎の街並みも、私が来た頃とはえらい変わりよう。線路は高架になってるし、宮崎機関区の跡もどこやら・・・。懐かしさを求めるきっかけさえ見つけられません。もういいや・・・。さ、空港へ行きましょう。

 

ちょっとブルーな一人旅
 カミさんを無事空港に送り届けたらまた一人旅。宮崎で懐かしさに触れることもできず、一人になって日も暮れて・・・ちょっとブルーです(笑)。でも今夜は佐伯からフェリーで四国入り。高速も未整備なのでとにかく走らなければ!・・・なんですけどね。でも・・・もう1ヶ所だけどうしても寄ってみたいとこが・・・。日豊本線の美々津駅です。美々津と言えば神武天皇御船出の地・・・はもちろんそれは無関係。中学〜高校のSL追っかけ時代、何度も通った駅なんです。門司の銭湯で洗った洗濯物を庭で干させてもらったり、駅員がいなくなる夜には吹きさらしの待合室でお泊りしたり・・・。とても思い出深い駅なんです。せっかくここまで来たんだし・・・、行っちゃえ!
それが・・・

 無人駅になってるのは当然としても、駅舎は全く別物。当時駅前に家は1,2軒しか無かったのが住宅街になってるし、タクシーなんて見たこと無かったのに・・・。跨線橋すら無いもっともっとひなびた、のどかな田舎の駅だったのに・・・。またしても懐かしさに触れること叶わず、ブルーの濃さを増しただけの37年ぶり美々津の夜でした。

 

間に合った!
 まぁ、そこに住む人にとって便利になったんだから、と気を取り直し佐伯に向かいます。乗船予定のフェリーは佐伯を明日の午前4時過ぎに出港する宿毛フェリー。時間はたっぷりあります。が・・・、ってことは3時半には乗船手続き、ってことは3時過ぎには起きなきゃ?自信・・・ない!でもその前の20時50分はきびしいし・・・。それでもダメ元!とガラ空きのR10をズンズン走ってくと「ひょっとして・・・」から「イタダキ!」に。なのに佐伯市街に入って恒例の「港はどこだ?」でしばし徘徊。たまらず開いていたドラッグストアで聞いたら「このまままっすぐ・・・」。なんでぇ、合ってんじゃん!良いカンしてるぜ!で、無事1本前の便に間に合いましたとさ。

 

なんだこのジジイ!
 船内はガラガラで、テレビの前に陣取れました。しかしそこにいたジジイがやたらチャンネルかき回してブツブツ。大人しく見てろよ!と言いたいのを我慢して、ヘッドフォンして寝ようとしても全然眠くないし。しょーがないので、甲板に出てノートPCでデータ整理や作文して、もうそろそろ良いかな?と戻ってみれば大いびき・・・。寝られたもんじゃない!仕方なく他の空いてる場所で横になってうとうとしたらもう接岸。寝ぼけ眼で真っ暗な宿毛におっ放り出されてしまいました。

 

紫電改はどこよ?-T
 宿毛に着いたのが日付変わって21日0時過ぎ。しかも晩飯抜きで「ここはどこ?」状態。でもこういう時、暗闇に輝く飯屋の行灯ってありがたいですよね。ホッとします。昔なら吉野家のオレンジのか?今は、なんでぇ吉野家か!だけど(笑)。ここにもあったジョイフル見つけて燃料補給です。野宿ながらこれでぐっすり眠れます。でもまだ眠くないので、紫電改展示館の近くまで行くべ、と走れど走れど・・・見つからない。事前チェックって、まぁ、アバウトですが、宿毛港の割と近くのはずなのに・・・。行き過ぎたか?と引き返してもやっぱり見つからない。んじゃもう一度と向きを変えると今度は睡魔が・・・。もう寝る!と広い路肩を見つけて電気消したら真っ暗け!街灯も何も無い山の中でした。ちょっと怖い気もしましたが眠気が勝ってそのまま寝てしまいました。

 

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